ちぎり絵×ストップモーション×AR「Regeneration」

ちぎり絵による絵画と、ストップモーション・アニメーションを組み合わせたAR作品です。

不変の完成したちぎり絵を、ARの映像経験によって、鑑賞者の認識の上で描き換え続けます。
ARのアニメーションを再生することで、ちぎり絵で描かれたニワトリは次の世代へ何度も生まれ変わる。2回3回と端末を通して見れば、その回数分だけニワトリもまた2世代、3世代目と生まれ変わり続けます。

コンセプト

私たちの生きる日常が、大きく変わることはほとんどありません。
新型コロナウイルスの感染拡大が起こって世界が一変したかと思いきや、しばらく経ってみればマスクを付けて暮らす日常が当たり前となり、気づけば“いつも通り”を送っている。
そんな日々でどこか無力感に苛まれ、本当に自分のやっていることに意味はあるのかと自問自答することがあります。

しかしそんな日常の中で、限りなく小さな一瞬ですが変化が現れることがあります。
例えば、誰かの言葉や行動について、その真意が急に分かるようになること。
例えば、昔見たものを、改めて見るとそこに違う意味や景色があることに気づくこと。
とても些末なものですが、私たちは時として自らの考え方や認識を改めることで、世界そのものが一変するような、止まっていたときが動き出すような、そんな瞬間に立ち会うことがあります。

そんな自らの世界に対する認識の小さな変化が、変わらない日々の中でも私たちの世界を一変させることがある。その経験と喜びを表現するべく、この作品を制作しました。
もう変わらない記憶や現実も、その解釈は何度だって変えていくことができるのです。

ちぎり絵×ストップモーションのさらなる演出の展開の模索、それからコンセプトをもった作品作りを意識することを自身の中で意図し、本作を作りました。

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